第25話

セレナはしばらく彼を見つめた。やがて微笑み、親指で彼の頬をそっとなぞる。

「それが、あなたを苦しめてるの?」彼女はやわらかく尋ねた。「エイラはそう思ってるのかもしれない。でも、私は違うわ」

セレナは彼の腰に腕を回し、胸に額を預けた。

「私が出ていくって決めたとき、背中を押してくれたのはあなたよ。研究費を出して、旅費も負担して、誰にも頭を下げずに仕事に集中できるようにしてくれた」

「お前に恩を着せたくてやったんじゃない」アルファのセバスチャンは彼女の肩をつかんだ。「信じてたからだ。お前には、行けるところまで行ってほしかった」

セレナは顔を上げる。

「その機会をくれた」声がふっとほどけ...

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